前回までで、やっておきたいしつけや社会化についてお話ししました。今回はそのまとめとして、飼い始めてからのスケジュールを考えてみましょう。
前回の記事はこちら↓
家に来てから1週間
目標
社会化:お家に慣れさせる。ケージで待つことを覚える。スキンシップを取る。
トイレ:最初からトイレができる子にだけトイレを覚えてもらう。
コマンド:アイコンタクトを取る。
この時期は精神的にも体調面でも不安定です。無理してしつけを行うのはやめておいた方がいいでしょう。まずは1週間しっかりお家の環境に慣れさせてあげてください。
基本的にはケージの中で生活をしてもらい、たまに出して遊んであげてください。お家の環境に慣れるのと同時に、ケージの生活というのにも慣れさせましょう。お留守番の練習にもなります。特に、キュンキュン鳴いたら出してもらえると思ってしまうと無駄吠えやケージ内での留守番ができなくなっちゃいます。ケージ内で大人しくしているとき出して思い切り遊んであげましょう。
ケージ内に慣れる訓練も一緒にするため、ご飯もできる限りケージの中で与えましょう。
また、本能的に最初からペットシーツやトイレシートでトイレができる子もいますので、ケージの中にトイレも入れて、うまくできたらしっかり褒めてあげるようにしましょう。失敗してもあまりに気にしないようにし、黙って片付けるようにしてください。
また、アイコンタクトの練習として、おやつはアイコンタクトをしてから与えるようにしてください。
体調が不安定で、環境の変化に伴う下痢や食欲不振も多く出る時期です。特に小型犬の子ではちょっとしたことですぐに脱水や低血糖を起こしてしまうので、注意してください。
家に来てから1週間から2週間
目標
社会化:全身触られることに慣れさせる。ブラッシング。
トイレ:ケージ内でトイレをする場所を限定していく
コマンド:お座りを軽く指導
1週間たつと、お家に慣れて体調も落ち着いてきます。少しずつ順番にしつけを行いましょう。
トイレであれば、最初の段階である、ケージの中のペットシーツの範囲を狭めていくこと、コマンドであればまずはお座りからです。これらは2週間くらいまではまだ無理をしない程度に教えてくださいね。
それから、重要なことは社会化です。まずは、体をいろいろと触る練習をしてください。特に口や耳、足先などは嫌がらない程度に遊びながら触ってください。また、スキンシップを取りながらブラッシングもやってみてください。
家に来てから2週から4週
目標
社会化:他の人や犬に合わせる。抱っこして外に連れ出す。車に乗せてみる。病院へ行く。首輪とリードの練習。
トイレ:外に出てもトイレに尿や便ができるようにする
コマンド:お座りをしっかりマスター
甘噛み:甘噛みが良くないことを教える
お家にすっかり慣れて、安心して遊んだりご飯を食べたりできるようになる時期です。
この時期にワクチンが必要になることも多く、社会化も兼ねて病院へ行くことをお勧めします。そうすることで、外に行く、車に乗る、病院では知らない人や犬を見る、病院の雰囲気や先生に慣れる、台に乗る、新たな検査を受けるなどワンちゃんにとって初めてのことがたくさんあります。一緒に、健康チェックのために身体検査や検便もしてもらいましょう。
お家にほかの人やワクチンが終わっている知り合いの犬を招くのもいいでしょう。また、首輪やリードをつけると嫌がったり歩かない子もいます。お家の中でもリードをつけて散歩をする練習をしましょう。お外に抱っこして連れ出してあげるのもよい社会化ですね。
ケージの中でトイレができるようになったら、次は部屋の中に出ていても、ケージに戻ったり所定の場所でトイレができる訓練をしましょう。
また、コマンドでは、そろそろお座りをマスターしたいです。覚えたらすぐに次のステップに行くのではなく、お座りをしっかり強化して確実に覚えるようにしましょう。
それから、甘噛みが出てくる時期です。甘噛みをしたら遊びをストップして、「甘噛みをすると楽しいことが終わってしまう」ということを覚えさせましょう。体罰ではなく、社会罰と言われる方法で甘噛みには対応してくださいね。噛んでいいおもちゃを与え、うまくそれを使って一緒に遊びましょう。
お家に来てから2か月目
目標
社会化:病院に慣れる。ホームケアを練習してみる。パピークラスに通う。お散歩デビュー。
トイレ:トイレの場所を決めてそこでできるようにする
コマンド:待てと伏せの練習
もう家族の一員として自分の居場所が確立する時期ですね。この時期に家族だけにしか会わなかったり、家の中ばかりにいると、内弁慶になってしまい、知らない人や犬、外の環境に適応できなくなってしまいます。
この時期の1番のおすすめは、パピークラスに通うことです。パピークラスでは、病院という空間、知らない人や犬、いろいろな音など慣れるべきことがたくさんあります。また、そこでしつけやホームケアの練習も教えてくれたり、友達ができたりすることも多いです。
パピークラスに通うのが難しい場合でも、爪切りや歯磨き、耳掃除などのホームケアの練習もこの時期から開始してください。やり方がわからなければ病院で教えてもらってもいいです。病気を治すことだけが病院ではありません。こういったホームケアの指導だけでも診察は受け付けてくれるので、病院に慣れて他の犬や人に慣れるためにも、病院へこまめに顔を出してみてください。病院の先生やスタッフを好きになってくれる子も多いですよ。
そして、そろそろ散歩デビューです。散歩ができる時期はワクチンのタイミングによって異なりますので、病院で確認してくださいね。散歩デビューは、恐怖心をつけないことが重要です。静かで犬や人が少ないところからスタートしてください。お友達が見つかるとお散歩も楽しくなりますが、まずは1人で落ち着いて散歩できる場所を見つけてあげてくださいね。慣れてきたら人や犬がたくさんいる公園や車が通る道などでも練習していってください。
トイレは、外にトイレの場所を決めてそこでできるよう、トイレの合図やご褒美をうまく使ってやっていきましょう。また、お座りができた子は待てと伏せを順番にやっていってください。コマンドは社会化に比べると焦る必要はないので、ゆっくりやっていってもらってもいいですよ。
お家に来てから3か月目以降
その後もしつけや社会化は重要です。生後半年くらいまでに、車での遠出やドッグラン、知らない人に抱っこしてもらうなどいろいろなシチュエーションを経験させてあげてください。
また、しつけに関しても、覚えるのが早い子も遅い子もいます。トイレやコマンドをまだ覚えれていない子や甘噛みをしてしまう子でも生後半年~1年くらいをめどに覚えられるといいですね。
まとめ
子犬はどこでもすぐ適応できるわけではありません。お家にやってきてすぐは、新しいお家や家族に慣れるのでいっぱいいっぱいです。
また、トイレやコマンドなども最初からできる子、覚えが遅い子色々います。その子その子に合ったスピードでやってあげることが重要です。
やることはたくさんありますが、今回ご紹介したスケジュールを参考に、自分のお家の犬に合ったスピードでしつけや社会化を行ってあげてくださいね。
最初の半年~1年は、その後の生活や性格を決めるうえでとっても重要ですよ。
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