犬の栄養

ペット栄養管理士が答える!~ドッグフードのトッピング、あり?なし?~

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リモサボン
ドッグフードのトッピング

今回はドッグフードのトッピングについてQ&A形式でご紹介したいと思います。

Q. うちの子は肉が好きなので、ドッグフードに毎回お肉を数種類トッピングしているのですが大丈夫でしょうか?

肉のトッピング

A. ドッグフードにはそもそも十分量の「タンパク質」が含まれています。さらにお肉をトッピングするとタンパク質の摂取過多になってしまうので、お肉をあげたい時はフードとは時間をおいてあげるようにしてください。

ビスケットやグルテンでできたガムをあげる代わりに、お肉を生であげましょう。生のお肉がなぜよいか。はまたの機会にご紹介します。

また、「お肉を数種類トッピング」されていますが、これも問題です。フードの中にはすでに複数種類のタンパク源が使用されています。そこにさらに幾種類ものタンパク源を追加することはアミノ酸のバランスが崩れてしまいます。犬の野生の状態を想像してみましょう。毎日牛や鳥や馬など、複数の獲物を捕って食べている可能性はかなり低いです。

複数のタンパク質源を犬の体内に入れることは消化機能への負担も増えてしまいますので避けた方がよいでしょう。
できれば、フードを選ぶときもなるべくタンパク源の少ないもの(できれば1種類)を選んであげてくださいね。

Q. うちの子はちょっぴり太り気味です。食物繊維の豊富な「おから」がいいと聞いたのでおからをトッピングしたいのですがどうでしょう?

おからのトッピング

A. おからはダイエット目的でフードにトッピングされる代表的な食材です。おすすめされているブログやサイトも多く見かけます。しかし私の見地ではおからは与えるべきでは無い食材です。

大豆にはレクチンが含まれます。(レクチン:特定の糖と結合する非抗体タンパク質の総称)
レクチンは、小麦グルテン同様、犬の腸壁に炎症を起こして損傷し、アレルギー様の症状を引き起こしたり、消化・代謝・免疫に悪影響を及ぼしてしまう要因となります。豆類に含まれるレクチンは、インシュリンの合成を阻害することがあり、肥満や糖尿病の原因になる場合もあります。ダイエットのためにと与えすぎて、かえって肥満になってしまったということにもなりかねませんね。

ただし大豆は、発酵するとレクチンが分解されるので、豆腐・納豆・お味噌などを少量トッピングしてあげるとよいでしょう。

Q. ドッグフードだけでは野菜不足になると思うので、毎日てんこもりに野菜をトッピンしているのですが、下痢をしてしまいました。野菜はいいと聞いていたのになぜでしょう?

野菜のトッピング

A. 人間同様、何でも食べ過ぎはよくありませんね。野菜は食物繊維が豊富で、適度な量であれば腸の中を掃除してくれたり、腸内細菌のえさになってくれたりします。また、体内では生成できないフィトケミカルを摂取できますし、生野菜であれば酵素の恩恵も得ることができます。

しかし元来犬は食物繊維の豊富な野菜を消化する能力が高くありません。野生の状態では時折草も食べますが、基本的には仕留めた獲物の内臓の中に入っている消化途中の野菜を口にしています。体にいいからといって、てんこもりにあげてしまうと消化ができずに下痢を起こしてしまいますので、トッピングをするならフードの見た目10パーセント程度に、なるべく細かく刻むかすり下ろすかして与えるようにしましょう。

スプラウト系は消化に良いのでおすすめです。

スプラウト系の野菜

スプラウト系の野菜(もやしなど)

Q. フルーツが好きなので、毎回フードにトッピングしています。太ってしまいますか?

フルーツのトッピング

A. そうですね、太ってしまいます。フルーツも特に生のフルーツは生野菜同様、酵素や抗酸化物が豊富に含まれているものが多いので積極的に与えたくなってしまいますが、フルーツに含まれる果糖は体内で脂肪に変わりやすい性質を持っています。与えすぎにはくれぐれもご注意ください。

最後に

いかがでしたか?基本的に犬は「雑食に近い肉食獣」ですので、前回ご紹介した「与えてはいけない、与えるときに注意が必要」な食物を除けば、ドッグフードからは得られない恩恵をトッピングで補填することは大賛成です。ちょっと注意をしながらも色々な食材をうまく活用してください!

それでは次回もおたのしみに!

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いしもとゆきこ

投稿者の記事一覧

ペット栄養管理士、1級愛玩動物飼養管理士。
犬と猫のグルテンフリー手作りおやつ製造販売「株式会社ピースプラウト」代表取締役。
日本における犬と猫の手作り食、ホリスティックケアのパイオニア、獣医師本村伸子先生に師事。主に京阪神で手作り食セミナー、個別カウンセリングを行っている。

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