飼い主インタビュー

【飼い主インタビュー】雑種犬の飼い方 Vol.1~大阪府在住のS.Hさんの場合~

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リモサボン

今回は、大阪在住のS.Hさんに飼っていた雑種犬についてインタビューさせていただきました。犬を飼っていた経験が現在のお仕事にもつながっているというS.Hさん。犬が与えた影響や雑種犬との暮らしについてたくさんお話を伺うことができました。

飼い主さんのプロフィール

名前 S.Hさん
年齢 20代
住所 大阪府
家族構成 父母、兄、祖父母

飼っていた犬について

Q. 犬種やお名前について教えてください

雑種でメスのコンちゃんです。

雑種のコンちゃん

雑種のコンちゃん

Q. 犬を飼おうと思ったきっかけは何ですか?

妄想で動物を飼うのが家族で流行っていました。寝る前の楽しみの一つでしたね(笑)。

私が5歳くらいの頃、そろそろ本気で動物を飼ってみないかという話になり、ペットショップで行きました。けど、高くて飼えませんでしたね。祖父が肉屋をしていたということもあり、毛が抜ける犬を飼うことはできませんでした。

そんなある日、潰れかけの屋外ペットショップにたまたま寄ったんです。そこには雑種犬の親と子が外に並べられていました。1匹3,000円で売られていて、初めは見間違えかと思いましたが、目の前にいた子があまりにも可愛くて連れて帰りましたね。

柴犬の入った雑種で毛が長めだったので、祖父に怒られるかと泣きながら家に帰りましたが、祖父は黙って犬小屋を買ってきてくれました。その日からコンちゃんは家族のアイドルです。

Q. なぜ雑種犬を選んだのですか?

潰れかけの屋外ペットショップには雑種犬しかいなかったからですね。

Q. 犬を飼おうと思った時ペットショップ以外の選択肢はありましたか?

犬を飼いたいという妄想が強すぎて、野良犬を探しに行ったことはありましたが、犬が欲しいと思って行ったのはペットショップでしたね。周りで犬を飼っている人たちもペットショップで買っていましたね。

当時は、ブリーダーのブの字も知りませんでした。

Q. オスとメスのどちらを飼うか決めていましたか?

飼うときに性別は気にしていませんでした。ただ目の前にその子がいたから、勝手に運命だとか言って飼いましたね。

Q. 雑種犬を飼う前に何か犬について勉強していたことはありますか?

祖父母がサルや鶏、犬などを飼っていた経験があり、犬なんて人間のごはん食べてたら元気でおれると言っていたくらいで、私には知識がありませんでした。

飼いに行こうと決めてからペットショップに行ったわけではなく、突然飼うことになったので準備も何もなかったですね。それを見かねた祖父が犬小屋やペットフード、リードなどを買ってきてくれました。

飼育費用について

Q. 雑種犬を飼う前、どれくらい飼育費用がかかるかイメージしていましたか?

祖父がハスキー犬を飼っていたことがあり、当時生肉を食べていましたので、犬を飼ってもエサには困らないだろうなと思っていました。病気にかかってお金がかかるかどうかも当時はよく分かっていませんでしたね。

Q. 実際にかかったお金についてどう思いましたか?

フィラリア検査や薬代、狂犬病予防接種等にかかるお金に関しては想像の範囲内でした。ただ、想像妊娠をして病院へ連れて行ったら、不妊手術に4万円かかると言われたときはびっくりしました。

父は病気ってわけではないのに手術は嫌と言い、母は想像以上にお金がかかることにびっくりしていました。お金も含めて今後病気したらどうしようという想いがその時から湧いてきましたね。

お金持ちのコンちゃん

お金持ちのコンちゃん

Q. 実際に飼育にかかった費用を教えてください

エサ代 3,000~5,000円/月
トリミング代 5,000円/回
3、4回連れて行きましたね。
医療費 フィラリア予防:1,000円/月
狂犬病予防:3,000円/回
治療費:約3万円
葬式費用 約6万円

雑種犬との暮らしについて

Q. エサはどのようなものをあげていましたか?

スーパーでも売っているようなペットフードをあげていました。あとは、肉屋で余った肉もあげていましたね。

Q. 服やおもちゃは買っていましたか?

服は着せていませんでした。おもちゃは兄がよく手作りしてあげていましたね。外の庭で主に飼っていたので、庭の草木でもよく遊んでいましたよ。

Q. 犬小屋はどのようなものを買いましたか?

最初に祖父が買ってきたのは何万もするような立派な物でした。時間が経つと、噛んでボロボロになってしまったので、肉屋で余った木箱を組んだり、段ボールを使って寝床を作っていましたね。勝手口を犬専用スペースにしていたので、そこに寝床を敷いていました。

Q. エサや水を入れる食器はどのようなものを使っていましたか?

器にもこだわらず、どこからかもらってきた銀の皿を使っていましたね。歳を取ってきてからは、頭を下げてエサを食べることがしんどそうだったので、兄が台を作って食べやすいよう工夫していました。

Q. ペットホテルを利用したことはありますか?

預けたことはないですね。祖父母のどちらかは必ずいたので。そもそもそんなのものがあることすら当時は知りませんでした。

Q. トリミングに行ったことはありますか?

趣味程度に3、4回連れて行きました。ほとんど変わらずに帰ってきましたけどね(笑)。

Q. しつけはしていましたか?

お手、お座り、待て、伏せのような家で覚えさせられるようなものだけしていました。ものすごい量のエサを手にしている時しかやってくれなかったですけどね。少しのエサだと動きません(笑)。

Q. 困った行動をすることはありましたか?

家族以外に慣れていなかったので、友達が家に遊びに来て部屋の中で走り回っていたら、何度が網戸を突き破ってきたことはありました。

あとは、家の食卓が高い位置にあるにも関わらず、信じられない力で上ってくることもありました。

庭でトイレを自由にさせていたので、草木が枯れていくことはありましたが特に気にしていませんでしたね。吠えたりすることもありませんでした。

駆け寄るコンちゃん

駆け寄るコンちゃん

Q. コンちゃんの面白い行動や変わった行動はありましたか?

待てを3種類覚えていました。普通の待ては座って待つ。ちょっと待っては立って待つ。絶対待っては散歩してた場所から家に帰る。

あとは、雷が鳴った時に家族がいる場所の中心にやってきておしっこすることですね。おしっこが終わったらどこかに去っていきます(笑)。雷が鳴ると家族のところに行かないといけないと思っていたんでしょうね。

夜中になると、みんな心配してコンちゃんのいるところへ行きなだめていました。主に兄がそうしていましたね。

病気の予防や治療について

Q. コンちゃんは何か病気をしましたか?

亡くなる前以外はほとんど病気をしませんでした。最後の方は、僧房弁閉鎖不全や目の上の腫瘍、貧血、腎不全、肝臓の数値も上がっていましたね。検査して1週間後には立てなくなってそのまま亡くなりました。

雑種が強いのか、22歳まで生きました。

Q. 治療はされましたか?

最後の方は、食が細くなっていて、無理に薬を飲ませるのも大変だと思い特別な治療はしませんでしたね。本当は、もっと早く異変に気づいていれば何か治療できたのにとは思いました。

Q. 健康診断のために動物病院へ行ったことはありましたか?

フィラリアの検査がいつも健康診断を兼ねていました。病院が良心的だったのか、フィラリアの薬を長期間買ってくれた人には血液検査を無料で行ってくれていました。毎年というよりは、病院で勧められていた時にやるって感じでしたね。

Q. 病気の予防のために何かしていたことはありますか?

フィラリア予防、狂犬病予防、ノミダニ予防ですね。

フィラリア予防は通年でしていました。蚊がいなくなってから1か月くらいまでで良いですよと言われていましたが、蚊がおらんくなるなんて分からない!という考えで1年中予防していました。クッキー型の予防薬でおやつをあげる感覚で与えていましたね。検査自体は年に1度4月に行っていました。

狂犬病予防接種は、町役場で毎年集団接種があったのでそこでしていましたね。

混合ワクチンは打っていませんでした。外で飼っていたけど…。

ノミダニ予防は、予防できる首輪のようなものを付けていました。あとはノミダニ予防のシャンプーをしていましたね。

外で遊ぶコンちゃん

外で遊ぶコンちゃん

Q. 最後にコンちゃんのお葬式はあげられましたか?

ペット火葬をしましたね。

家まで迎えに来てくれて、その後火葬場まで行き、火葬してお骨を拾いました。歯や爪はキーホルダーにしてもらったり、遺影も作ってもらえました。体を綺麗にしてくれたり、お花を入れたり、お経を読んでもらったりと人の葬式のようでしたね。

犬を飼おうと思っている方へ向けて

Q. 犬を飼って良かったなと思うことはありますか?

獣医師という仕事につけているから常に思いますね。

小さい頃、動物の仕事がしたくて、できるなら資格のある仕事がしたいと思っていました。その時に獣医師という仕事を見つけられたのは犬を飼ってたからだと思います。

動物が好きとか身近にいま犬がいるっていうベースがなければ、選択範囲を絞れず獣医師という仕事を見つけられなかったかもしれないですね。

犬を飼った経験がなければ、オーナーさんから相談されても分からないことが多かっただろうなと思います。

Q. 犬を飼っていて大変だったなと思うことはありましたか?

介護の時ですかねー。私が20歳くらいのときでした。

若くて何でも自分で出来てた時は何も思わなかったです。
けど、ご飯食べる時もスプーンであげないといけなくなった時は大変でした。後ろ足の筋肉がなくなってきて、後ろ足をあげながらご飯を食べるようになったんです。そのままエサに顔を突っ込んでしまうこともありました。ご飯をあげる人と後ろ足を支える人が必要になりましたね。

じゃあ誰が食べさせてあげるんやって話になったら、全員その時は働いていてそれぞれに事情があったので難しかったです。そのような話し合いをするのも苦しかったですね。

当時、私は大学生で一人暮らしをしていましたが、大学休んで介護するよと言ったこともありました。内心では誰かがやってほしいと思っていましたが。

でも、認知症になったり夜中に吠えるといったこともなく、すごく困るほど寝たきりになることもなかったので、そこは助かりましたね。

Q. 犬を飼うために必要なことは何だと思いますか?

病気の知識を得ることと1人で飼わないということですね。

家族じゃなくてもいいけど、他に頼れる人が必要だと思います。1人で飼う悩みにも限界がありますから。

Q. 犬を捨てる人がいる現状についてどう思いますか?

最後まで飼うのが当たり前なので、途中で捨てるっていう人の気がしれないですね。
なんでなんやろうって思います。

Q. 新しく犬を飼おうと思っている方へ何かアドバイスはありますか?

行きつけの病院を見つけた方がいいですね。

Q. 行きつけの病院はどのように見つけたらいいですか?

口コミがやはり重要かなと。

ホームページには良いことしか書いていない場合が多いので。
病気に対してだけガツガツしている獣医師ではなく、人柄の良さや飼い主への対応の良い獣医師がいる病院が良いと思います。

インタビューを終えて

犬を飼っていたことが現在の獣医師という仕事に結び付いたS.Hさん。インタビューをしていて、犬の存在は偉大だなと改めて思いました。

一番驚いたのは、コンちゃんが22歳まで生きていたということ。犬の場合だと、15歳を超えれば長生きしたと言われますが、22歳とは…。しかも、亡くなる直前までに大きな病気もしたことがないということですから、健康寿命も長かったということですね。恐るべし、雑種犬。

犬の飼い主として、そして獣医師として貴重なお話を聞かせていただきました。犬の殺処分問題についても深く考えてらっしゃる方なので、今後何か協力させていただければと勝手に思っています!(笑)

長時間のインタビューとなりましたが、S.Hさん本当にありがとうございました!

インタビューを終えて

インタビューを終えて

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りある編集部

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飼い主やブリーダー、獣医師など、様々なジャンルの方々へのインタビューを通じて、犬を飼うとはどういうことなのか、犬と長く楽しく暮らすためにはどうすればよいのか、犬について深く考えるきっかけとなるようなコンテンツを発信します。

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