子犬が下痢をしてしまったときの対処法
子犬が下痢をした場合、脱水を起こしたり、重篤化して命にかかわることがありますので、すぐに動物病院へ連れていくことをおすすめします。
子犬の激しい下痢の原因は、感染による可能性が高いため、多頭飼いしているお家では、他の犬が感染しないよう、下痢をしている子犬と下痢便に健康な犬が近づかないように注意してください。
また、下痢をしている子犬を触ったり、下痢便を掃除した後は、必ず石鹸で手を洗いましょう。(ただし、石鹸で手を洗うだけでは感染を防ぐことができないウイルスもいます。下痢、特に激しい下痢をしている子犬は、動物病院で下痢の原因を早急に診断してもらうことが必要です。)
子犬以外での対処法
下痢になる原因はたくさん考えられます。たとえば、ごはんが変わったり、毒性のあるものを摂取したり、また、消化不良やウイルス・細菌への感染、おなかの寄生虫感染、胃腸炎、ストレス、悪性腫瘍(癌)、腎臓や肝臓の病気、アレルギーなど様々です。
ごはんの変化や単純な消化不良による下痢であれば、お薬を飲まなくても、お家ケアでよくなることがあります。
では、どんなときに動物病院へ連れていったほうがよいのでしょうか?
- だんだん元気がなくなる、元気がない、もしくはぐったりしている
- 脱水:口の中の粘膜が乾いている、もしくはネバネバしている
- 嘔吐
- 血便
- 大量の下痢が止まらない
- 発熱を伴う
- 食欲がない
- 腹痛のサイン:背中を丸めている、おなかの筋肉が硬くなっている(おなかの筋肉を緊張させるため)、お尻をあげて前肢を伸ばすようなポーズを何度も繰り返すなど。
- 痛みのサイン:震えている、パンティング(舌を出してハアハアする)が止まらない、クーンクーンと鳴き続けるなど
こんな症状がみられたら、早急に動物病院で診察を受けてください。
ワンちゃんが下痢をしても、元気な場合には、まずは絶食をして様子を見てみるとよいでしょう。
脱水を防ぐために、新鮮できれいな常温のお水を十分に与えてください。
急性の下痢は、数日でよくなることもありますが、完全によくなるまでに1週間から2週間かかることもあります。
絶食して状態がよくなるようであれば、様子を見てもかまいませんが、状態が変わらない、もしくはだんだんと悪くなる場合には動物病院で診察を受けることをおすすめします。
獣医が教える正しい絶食の方法
- 12時間ごはんをストップします。
- 下痢が悪化しなければ、お湯でふやかして柔らかくしたドライフードや、消化の良いホームメイドごはん(*1)などを少しづつあげてみます。消化の良いごはんを2~3日続けてあげてみましょう。
- 下痢がよくなったら、普通のごはんに少しづつ戻していきます。下痢が続くようなら、下痢がよくなるまで、消化の良いごはんをあげます。
(*1) 消化の良いホームメイドごはんレシピ(分量はワンちゃんのサイズに合わせて調節してください。)
鶏肉(脂身の少ない部位)25gと米(白米)75gを柔らかくなるまで煮込みます。これに、マッシュしたサツマイモ少々を加えても構いません。
また、腸内細菌のバランスを整えるために、犬用プロバイオティクス(*2)をごはんに加えてあげてもよいでしょう。(プロバイオティクスは熱に弱いため、ごはんが冷めてから加えましょう。)
(*2) 犬用プロバイオティクス
プロバイオティクスとは、腸内細菌のバランスを整え、健康によい効果をもたらす微生物(乳酸菌やビフィズス菌)や微生物代謝物を含む製品です。
ヨーグルトにも乳酸菌などが含まれていますが、その数はプロバイオティクスに比べると微々たるものです。
犬に効果があるLactobacillus acidophilusやLactobacillus plantarum、Bifidobacterium animalisなどが含まれているプロバイオティクスがおすすめです。
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